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TNFD提言に沿った情報開示

TNFD

KOEI JAPAN株式会社の環境と自然共生への取り組み

KOEI JAPAN株式会社は創業以来、多岐にわたる品目を対象にリサイクル事業を展開してきました。
一見すると不要に思えるものでも、その中にはマテリアルやパーツとして新たな価値を生み出せる可能性が眠っています。それらを別の誰かの役に立てる形で循環させることが、リサイクルやリユースの本質であり、 KOEI JAPAN株式会社の使命です。この循環を見つめる中で、 KOEI JAPAN株式会社は地球環境を守り、持続可能な未来を築くための重要な役割を担っていると強く感じています。その役割を果たすため、 KOEI JAPAN株式会社はSDGsの理念に共感し、事業活動を超えたさまざまな取り組みを推進しています。
KOEI JAPANグループ
環境方針
当グループは、企業各社から委託される排出物の収集運搬とその再資源化・適正処理を行っています。循環型社会への取り組みにより産業と暮らしの両方に貢献することを目指して事業を行っています。当グループの経営理念に基づき、より良い地球環境の実現に向けて、環境方針を次のとおり定めます。
1. 地球環境保全に寄与することを経営の最重要課題の一つとして位置付け、環境マネジメントシステムと環境パフォーマンスの継続的改善を行い環境汚染予防等の環境保全に努めます。
2. 次の事項の改善に重点的に取組むために、環境目的・目標を定め、 定期的な見直しを行いその目標達成のだめに全員で行動します。
(1)1 0 0%リサイクルをモットーに、お客様から依頼される排出物や使用済み商品の再資源化の拡大を行い、 循環型社会の構築に貢献します。
(2)省エネルギー(電気・燃料等)、省資源化(紙等)に努めます。
(3)事業活動を通じ、CO2を吸収する植林活動(カーボンオフセット)を実施します。
(4)資源の有効活用のため、都市鉱山のリサイクルに努めます。
3. 環境に関する法規制やその他の要求事項等を遵守します。 また取扱品の適正処理等に努め、顧客のよきパートナー としてその範となるように行動します。
4. 取引先等との連携を通じて、リデュース、リュース、リサイクルの推進及び企業市民として環境保全責任の一端を果たします。
5. 地域社会との連帯と協調を図り、 社会貢献活動を推進します。
本環境方針を全社員へ周知し、環境マネジメントシステムを適切に運用し維持管理します。環境基本方針は広く開示します。
温室効果ガスの削減貢献
当社の主力ビジネスは不要となったIT機器、OA機器、家電、産業廃棄物の収集を行い、データ処理やマテリアル・パーツの選別を行い、リユース、再資源化、エネルギー化を推進しています。これらの事業により、かつては焼却・埋め立てなどの廃棄物処理をされていたものでも有価値物と見極めることで、リサイクル・リユースの可能性が広がり循環型社会、温室効果ガスの削減へと貢献しています。
サプライチェーン排出量・エコ活動
当社は気候変動への具体的な取り組みの中でも、「サプライチェーン排出量」削減を特に重要な課題として位置付けています。サプライチェーン排出量とは、事業者の原料調達・製造・物流・販売・廃棄など一連の流れ全体(サプライチェーン)における組織活動に伴って発生する温室効果ガス排出量のことです。一環として、社有車のエコカー切り替えや、環境配慮型トラックの導入、LED照明や人勧センサーの導入、フロンガスの回収、書類の電子化などのエコ活動を推進しています。
植林
当社では2012年1月より中国・内モンゴル自治区などで植林活動を展開し、2026年3月現在植林本数は2,070本となりました。この植林活動は、「地球温暖化防止」「砂漠化防止」「生物多様性の保全」「地域経済の活性化」「環境教育」の5つのミッションを掲げ、経済林と生態林が融合した持続可能な森づくりを目指しています。
さらに、この活動を拡大するために「植林ポイント制度」を導入しました。植林活動に賛同いただいたお客さまにの協力も得ることで、サプライチェーン全体で環境保全に貢献しています。
TNFDの指針に沿った透明性ある情報開示
TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures)は、企業や金融機関が自然資本や生物多様性に関するリスクと機会を把握し、適切に開示するための国際的な枠組みです。2021年に設立され、2023年に最終提言が公表されました。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに倣い、ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標の4つの柱で構成されています。TNFDの導入により、投資家や金融機関は自然関連リスクを的確に評価でき、持続可能な資金の流れを促進することが期待されています。

当社は、2026年3月にTNFD Adopterに登録し、TNFDのWebsiteに公開されています  。自社の事業活動が自然資本や生物多様性に与える影響を認識し、TNFDの指針に沿った透明性ある情報開示を進めています。森林破壊や水資源の枯渇、生態系の劣化といった自然環境への影響、さらには資源調達の不安定化や規制強化、評判リスクなど自然環境から受けるリスクを適切に把握し、経営戦略やリスク管理に統合することで、ステークホルダーへの説明責任を果たし、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

一般要件及び推奨開示項目について

本レポートは、2023年9月に公開されたTNFD最終提言v1.0に沿った検討を実施し作成しました。
重要課題(マテリアリティ)への考え方
当社の自然関連マテリアリティは、資源循環の高度化、操業に伴う環境負荷の低減、並びに地域生態系への影響抑制にあると認識しています。リユース・リサイクル事業を通じた循環型社会への貢献を基盤としつつ、GHG排出量、廃棄物量、廃プラスチック量等の指標を継続的に把握するとともに、拠点周辺の自然環境への配慮、とりわけ騒音等の操業影響の低減に取り組み、事業と自然との共生を進めてまいります。
開示のスコープ
本レポートでは、自然への影響の大きさ、事業規模、自社にとっての重要性等を勘案し、リサイクル・リユース事業を対象に分析を行い、上流では使用済みPCの調達と梱包材の調達への取り組みを、下流では製品の流通および最終廃棄物処理について記載しています。 
自然関連課題がある地域
本分析にあたり、自然関連の課題は地域性に大きく依存していると認識し、直接操業(リユース・リサイクル事業)の事業拠点と上流・下流のバリューチェーンについて、地域性を踏まえた分析の実施と課題の把握に取り組んでいます。
サステナビリティ関連の開示との統合
本レポートは、TNFDに対応した開示に取り組むものです。今後は、TNFD開示に加え、TCFD開示やその他サステナビリティ関連の開示について、統合的な管理・推進体制を整え、ステークホルダーやレポート利用者へのわかりやすさを踏まえ、開示情報の統合を検討してまいります。
考慮する対象期間
生物多様性や自然資本に関する依存や影響、リスク・機会の評価、各種施策の取り組みについて、概ね短期を2026年度まで、中期を2030年度まで、長期を2050年度までを目安として設定しています。
自然関連課題の特定と評価における地域社会と影響を受けるステークホルダーとのエンゲージメント
当社では、ステークホルダーを「地域社会」、「お客様」、「取引先」、「関連会社や従業員」と位置づけており、ステークホルダーの人権に配慮したサービス・製品の提供に取り組んでいます。また、ステークホルダーと経営者の対話から、自然との共生や人権尊重の取り組み改善に努めています。
さらに、事業活動を行うにあたり、人権の保護・促進が重要な要素と位置付けており、日本政府のガイドラインである『責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン』(人権尊重のガイドライン )を支持し、遵守しています。
本レポートは、TNFD最終提言v1.0における14の開示推奨項目に沿って、以下のような指針に基づき作成しました。

ガバナンス 戦略 リスクとインパクトの管理 測定指標とターゲット
自然関連の依存、インパクト、リスクと機会の組織によるガバナンスの開示 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会が、組織のビジネスモデル、戦略、財務計画に与えるインパクトについて、そのような情報が重要である場合は開示 組織の自然への依存、インパクト、リスクと機会を特定し、評価し、優先順位付けし、監視するために使用しているプロセスを説明 マテリアルな自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を評価し、管理するために使用している測定指標とターゲットを開示
14項目の開示提言と開示ページ
A. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会に関する取締役会の監督について説明する
(p.10)
A. 組織が特定した自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を短期、中期、長期ごとに説明する
(p.20-39)
A (i) 直接操業における自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を特定し、評価し、優先順位付けするための組織のプロセスを説明する
(p.41)
A. 組織が戦略およびリスク管理プロセスに沿って、マテリアルな自然関連リスクと機会を評価し、管理するために使用している測定指標を開示する
(p.42-43)
B. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会の評価と管理における経営者の役割について説明する
(p.10)
B. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会が、組織のビジネスモデル、バリューチェーン、戦略、財務計画に与えたインパクト、および移行計画や分析について説明する
(p.20-39)
A (ii) 上流と下流のバリューチェーンにおける自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を特定し、評価し、優先順位付けするための組織のプロセスを説明する
(p.41)
B. 自然に対する依存とインパクトを評価し、管理するために組織が使用している測定指標を開示する
(p.42-43)
C. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会に対する組織の評価と対応において、先住民族、地域社会、影響を受けるステークホルダー、その他のステークホルダーに関する組織の人権方針とエンゲージメント活動、および取締役会と経営陣による監督について説明する
(p.11)
C. 自然関連のリスクと機会に対する組織の戦略のレジリエンスについて、さまざまなシナリオを考慮して説明する
(p.26-39)

D. 組織の直接操業において、および可能な場合は上流と下流のバリューチェーンにおいて、優先地域に関する基準を満たす資産および/または活動がある地域を開示する
(p.16-19)
B. 自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を管理するための組織のプロセスを説明する
(p.41)

C. 自然関連リスクの特定、評価、管理のプロセスが、組織全体のリスク管理にどのように組み込まれているかについて説明する
(p.41)
C. 組織が自然関連の依存、インパクト、リスクと機会を管理するために使用しているターゲットと目標、それらと照合した組織のパフォーマンスを記載する
(p.42-43)

ガバナンス

サステナビリティ推進体制
当社では、経営会議の監督のもと、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、気候変動関連の課題整理・施策検討等を行ってきました。
TNFDレポートを作成するにあたり、この委員会の役割は気候変動のみならず、自然資本・生物多様性関連の課題においても同様に取り組むこととしました。施策については、委員会メンバーである各部門長が実行します。施策の実行状況は年に一度、各メンバーにより委員会に共有されます。 委員会での検討事項や取組の進捗状況等は経営会議に年に一度報告され、経営会議にて適切に管理・監督を行っています。
安全管理委員会
従業員の安全と健康を最優先に、毎月「安全衛生委員会」を開催し、事故防止や健康経営に向けた取り組みを話し合っています。安全と健康に配慮した環境整備を進め、障害のある人もない人も、皆が活躍できる職場を作っています。

ステークホルダーとの関わり
当社は経営陣が率先し地域社会、サプライヤー、従業員、お客様といったステークホルダーとのエンゲージメントを取り入れ、人権尊重や教育への取り組みを推進しています。また、世界中の子供たちに対する福祉や教育への貢献活動を行っています。
職場体験プログラムの一環として、小中学校や特別支援学校にリサイクル品を提供し、リサイクル工程を学ぶための教材として活用していただいています。
子どもたちがオンライン授業をスムーズに行えるよう支援するため、現地の学校へパソコン30台を寄付しました。 今後も国境を超えた教育支援を継続していきます。
女子プロレス団体「OZアカデミー」のスポンサーシップを通じて女性アスリートを支援するとともに、女性の社会進出・活躍推進を後押ししていきます。

戦略

本レポートでは、自然関連課題の特定と評価のため、TNFDが提唱するLEAPアプローチを採用しました。
LEAPアプローチは、自社とバリューチェーンの活動と資産を対象に、スコーピング(事前調査)した上で、自然との接点を見出し(Locate)、影響を評価し(Evaluate)、リスクと機会を分析し(Assess)、対応策を準備し報告する(Prepare)こととされています。
Locate
自然との接点を見出す
Evaluate
依存関係とインパクトを診断する
Assess
リスクと機会を評価する
Prepare
対応を準備・投資家へ報告
L1
ビジネスモデルとバリューチェーンの範囲
E1
環境資産、生態系サービス、インパクト要因の特定
A1
リスクと機会と特定
P1
戦略と資源配分計画
L2
依存とインパクトのスクリーニング
E2
依存とインパクトの特定
A2
既存のリスク緩和及びリスクと機会の管理の調整
P2
ターゲット設定とパフォーマンス管理
L3
自然との接点
E3
依存とインパクトの測定
A3
リスクと機会の測定と優先順位付け
P3
報告
L4
要注意地域との接点
E4
インパクトのマテリアリティの評価
A4
リスクと機会のマテリアリティの評価
P4
表示
スコーピング
LEAPアプローチをするにあたり、まずスコーピングで取り組み範囲の絞り込みを実施しました。当社の事業はITAD事業、マテリアルリサイクル事業、産業廃棄物中間処理・収集運搬事業の3つの柱から成り、それぞれの事業について範囲を決定しました。
次にUNEP(国連環境計画)が開発した自然関連リスク評価ツールであるENCORE(Exploring Natural Capital Opportunities, Risks and Exposure) を用い、産業廃棄物事業とバリューチェーンに関わる自然への依存と影響について調査しました。
■ ITAD事業
実施場所:横浜金沢リサイクルセンター、北九州リサイクルセンター、中部リサイクルセンター、大阪リサイクルセンター
原材料調達段階 生産段階 流通段階
✓ IT機器の運搬(直接)
✓ IT機器調達(間接)
・ パソコン製造全般
・ レアメタル採掘
・ パソコン製造段階でのエネルギー消費
・ パソコン製造での取水
✓ データ消去過程での電力使用(直接)
✓ 梱包材の使用(間接)
・ 段ボールの原料と製造
・ パレットの製造
・ ラップ(プラスチックフィルム)の製造
・ フレコンの製造
✓ IT機器(製品)の運搬(直接)
■ マテリアルリサイクル事業
実施場所:横浜金沢中間処理センター、北九州中間処理センター
原材料調達段階 生産段階 流通段階
✓ IT機器の運搬(直接) ✓ 破砕・解体・切断・選別時の電力使用(直接)
✓ 破砕時の粉じん(直接)
✓ 破砕時の騒音(間接)
✓ 梱包材の使用
・ フレコンの製造
✓ 製品の運搬(直接)

■ 産業廃棄物中間処理・収集運搬事業
実施場所:横浜金沢中間処理センター、北九州中間処理センター
原材料調達段階 生産段階 流通段階 廃棄段階
✓ IT機器の運搬(直接) ✓ 破砕・解体・切断・選別時の電力使用(直接)
✓ 破砕時の粉じん(直接)
✓ 破砕時の騒音(直接)
✓ 梱包材の使用(間接)
・ フレコンの製造
✓ 製品の運搬(直接) ✓ 廃棄物の埋め立て(直接)


Locate(自然との接点を見出す)
スコーピングにより決定した取り組み範囲を分析するための調査基準を定めました。自然関連の課題は直接操業における「資源回収」「廃棄物収集」「廃棄物処理」を行っている事業拠点(横浜金沢リサイクルセンター・横浜金沢中間処理センター、北九州リサイクルセンター・北九州中間処理センター、中部リサイクルセンター、大阪リサイクルセンター)について調査・分析ができるツールを検討しました。また、TNFDにおいて推奨されている評価基準を参照し、調査基準を決定し、分析を行いました。
評価項目 使用ツール ツール説明
水リスク Aqueduct 4.0 拠点ごとの水リスクをスコア化する世界標準ツールであり、物理リスク、水質リスク、規制・評判リスクの分析に使用
https://www.wri.org/aqueduct
森林破壊 Global Forest Watch 衛星データで森林減少・伐採・火災を監視できる地図ツールであり、森林の減少や保護区との重ね合わせが可能
https://www.globalforestwatch.org/
生物多様性 IBAT(Integrated Biodiversity Assessment Tool)

KBA(Key Biodiversity Area)
保護区・重要生物地域の特定が可能。生物多様性ホットスポットの分析
https://www.ibat-alliance.org/

日本国内における重要生物多様性地域を示す地図
https://kba.conservation.or.jp/index.html
■ 水リスク
Aqueductを使用し、全体の水リスクを分析しました。
全ての拠点において、水リスクは低-中であり、水リスクは検出されませんでした。
・ 横浜金沢リサイクルセンター
横浜金沢中間処理センター

・ 中部リサイクルセンター

・ 北九州リサイクルセンター
北九州中間処理センター

・ 大阪リサイクルセンター

■ 森林破壊
Global Forest Watchを使用し、2000年から2020年までの樹木の増加と2001年から2024年までの樹木の減少を確認しました。
全ての拠点において、森林の増加と減少は見られませんでした。
・ 横浜金沢リサイクルセンター
横浜金沢中間処理センター

・ 北九州リサイクルセンター
北九州中間処理センター

・ 中部リサイクルセンター

・ 大阪リサイクルセンター

■ 生物多様性
IBATとKBAを使用し、国内のKBAと各拠点50km以内における生物多様性について分析しました。
国内のKBAは228か所あり、全国に点在しているため、各拠点50km以内にもKBAが存在しました。また保護地区も50km以内にそれぞれ100か所以上確認され、絶滅危惧種も生存している可能性がありました。
・ 国内KBAマップ

・ IBATによる分析

PAs:50km圏内の保護地区数
Species:50km以内に存在する可能性のあるIUCNレッドリスト(絶滅危惧種リスト)で評価された種の数
KBA:50km圏内のKBA数
Evaluate(依存とインパクトの診断)
スコーピングとLocationで分析した当社拠点と事業活動において、環境資産と生態系サービスへの依存とインパクトを把握するため、まずはENCOREを用いてスクリーニングを行いました。そのうえで、CFCの分析ツールを用いて、IDEA3.3およびLIME2を活用しながら、依存とインパクトを評価しました。
依存の評価方法
各指標を金額ベースに換算し、売上に対する環境負荷コストの割合10%以上を高、1%以上10%未満を中、1%未満を低としました。金額への換算は以下の通り行いました。
GHG排出量:J-クレジット販売平均価格
< https://www.jpx.co.jp/equities/carbon-credit/index.html >
土地利用変化:森林の違法転換による費用
<https://climateadvisers.org/wp-content/uploads/2018/04/Climate-Advisers-Costs-of-Deforestation-for-Industrial-Agriculture-11-2017-clean.pdf>
取水量:製造業における水の経済的価値の指標
<https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S2212428418300598>
粉じん:ばいじん処理平均費用
< https://www.dai-tou.com/marketprice/industrial-waste >
騒音:騒音に関わる費用
< https://www.nationalacademies.org/read/12928/chapter/9#109
■ ENCOREによるヒートマッピング
廃棄物処理事業のバリューチェーンにおいて、自然資本への依存・インパクトが大きいとされる事業活動をスコーピングするため、「資源回収」「廃棄物収集」「廃棄物処理」の3事業について、ENCOREツールを使用し、依存と影響に関するヒートマッピングを作成しました。


※VL=Very Low(非常に低い)、L=Low(低い)、M=Medium(中程度)、H=High(高い)、VH=Very High(非常に高い)

インパクトの評価方法
運搬:
  各事業段階における運搬に係るGHG排出量から売上当たりの炭素強度を算出し、
  同業企業の炭素強度の平均値より20%以上高い場合に高、
  -20~20%の場合に中、
  -20%より低い場合に低としました。

原材料・梱包材製造全般:
  LIME2によりEINES値を算出し、
  当社の売上高GDP比でEINES値を除した数値を影響量としました。
  間接的な影響の場合はさらに影響量を10%としました。
  この数値に対し、0.7以上を高、0.3以上0.7未満を中、0.3未満を低としました。

原材料・梱包材製造における燃料燃焼:
  製造に係るGHG排出量から売上当たりの炭素強度を算出し、
  間接的な影響の場合は補正値として0.1を乗じることとし、
  同業企業の炭素強度の平均値より20%以上高い場合に高、
  -20~20%の場合に中、
  -20%より低い場合に低としました。

レアメタル採掘、段ボール製造の原料調達:
  LIME2による変化した土地面積を算出し、
  当社の売上高GDP比でよる変化した土地面積を除した数値を影響量としました。
  間接的な影響の場合はさらに影響量を10%としました。
  全国森林面積の43%以上を高、14%~43%を中、14%以下を低としました。
  <https://www.cambridgenetwork.co.uk/index.php/news/amazon-deforestation-threshold-causes-species-loss-accelerate>

取水:
  製造に係る取水量を算出し、
  当社の売上高GDP比で取水量を除した数値を影響量としました。
  間接的な影響の場合はさらに影響量を10%としました。
  国連SDGs指標6.4.2により50%未満を低、
  指標50以上75%未満を中、
  指標75以上を高としました。

粉じん:
  各拠点での粉じん量を測定し、
  浮遊粒子状物質(SPM)基準を使用し日平均0.1mg/m3以上を高、
  0.02以上0.1mg/m3未満を中、
  0.02mg/m3未満を低としました。
  < https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/taisaku/02_02_06.html >

騒音:
  各拠点での騒音を測定し、
  騒音による鳥類への影響で評価し75db以上を高、
  40以上75db未満を中、
  40db未満を低としました。
  < https://www.nature.com/articles/s41598-021-96504-3 >

廃棄物の埋め立て全般:
  LIME2によりEINES値を算出し、
  当社の売上高GDP比でEINES値を除した数値を影響量としました。
  0.7以上を高、0.3以上0.7未満を中、0.3未満を低としました。

廃棄物の埋め立てによるGHG排出:
  廃棄物の埋め立てによるGHG排出量から売上当たりの炭素強度を算出し、
  同業企業の炭素強度の平均値より20%以上高い場合に高、
  -20~20%の場合に中、
  -20%より低い場合に低としました。
■ ITAD事業
ITAD事業においては原料調達段階、製造段階、流通段階におけるすべての指標で影響、依存共に低いという結果となりました。
引き続きモニタリングを行い、影響度と依存度を注視して参ります。
■ マテリアルリサイクル事業
マテリアルリサイクル事業においては横浜金沢中間処理センターと北九州中間処理センターでの生産段階の騒音が生態系サービスに影響があると判断しました。
50km圏内に横浜金沢中間処理センターは592か所の保護地区と9か所のKBA、北九州中間処理センターは122か所の保護地区と4か所のKBAがあり、生態系への影響が無視できないと考えられるため、今後騒音防止に努めてまいります。
■ 産業廃棄物中間処理・収集運搬事業
産業廃棄物中間処理・収集運搬事業においてはマテリアルリサイクル事業同様、横浜金沢中間処理センターと北九州中間処理センターでの生産段階の騒音が生態系サービスに影響があると判断しました。
50km圏内に横浜金沢中間処理センターは592か所の保護地区と9か所のKBA、北九州中間処理センターは122か所の保護地区と4か所のKBAがあり、生態系への影響が無視できないと考えられるため、今後騒音防止に努めてまいります。
Assess(リスクと機会の評価)
依存と影響で整理した項目においてTNFDで推奨されているガイダンス (TNFD Guidance on scenario analysis_V1) 及び 2×2 scenario frame )をもとにシナリオを設定し、自社ツールを用いてリスクと機会の評価を行いました。
左図はTNFDガイダンスで示されている2×2 scenario frameです。
④非優先シナリオ:規制や対策も強化されず、自然の毀損も進んでいない状態(現状が維持される状態)、①先駆者シナリオ:規制や対策が強化され、自然の毀損が少ない状態、②背水の陣シナリオ:規制や対策が強化されているが、自然の危機が進んでいる状態、 ③問題発生シナリオ:自然の危機が進んでいるが、規制や対策が行われていない状態を意味します。
■シナリオ分析方法
1.シナリオ設定
リスク分析の前提として、4つのシナリオを設定します。
①先駆者シナリオ
②背水の陣シナリオ
③問題発生シナリオ
④非優先シナリオ(現状)
基本的に、規範的シナリオ(normative scenarios、望ましい将来から現状をバックキャスト)ではなく、探索的シナリオ(exploratory scenarios、現状から将来を予測)を用いることとします。可能な限り定量的分析をしますが、データ収集ができない部分は定性的な分析としました。

2.リスクの特定・度合いの測定
依存と影響の分析結果から、シナリオごとに顕著になる組織のリスクを特定します。シナリオごとに企業への影響金額を変化させ、その度合いを測ります。この結果を以下の通りまとめました。
・Heatmapping(/Asset tagging)
・Scenario-based risk analysis

3.機会の特定・度合いの測定
依存と影響の分析結果から、シナリオごとに顕著になる組織の機会を特定します。シナリオごとにエクスポージャー(自然への影響)とマグニチュード(企業への影響)を特定し、その度合いを3段階で評価し、この結果を以下のとおりまとめます。
・Heatmapping/Asset tagging
・Scenario-based risk/chance analysis

4.開示のため、2030年(中期)2050年(長期)におけるリスクと機会を各自然関連項目ごとに低中高で示しました。
可能な限り定量分析を行い、リスクについては現状のリスク金額と各シナリオのリスク金額を比較し、割合を示しました。金額で示すことが困難な場合は、定性的評価を記載しました。

■マグニチュード計算方法(定量)
高リスクセクターと高リスクエリアは依存度、影響度分析で反映しています。
■組織リスク度評価方法(定量)
依存度の評価で算定した負荷金額をシナリオごとに修正の上影響額を算出し、以下の基準で評価しました。 コスト シナリオごとに自然への影響度合いが変わると想定し、以下を加味して計算しています。2025年基準、毎年1%増加と想定しました。 ①先駆者シナリオ:(中期)税金等の増大が5%、コスト増・売上減が0% (長期)税金等の増大が28%、コスト増・売上減が0% ②背水の陣シナリオ:(中期)税金等の増大が5%、コスト増・売上減が5% (長期)税金等の増大が28%、コスト増・売上減が28% ③問題発生シナリオ:(中期)税金等の増大が0%、コスト増・売上減が5% (長期)税金等の増大が0%、コスト増・売上減が28% ④非優先シナリオ:(中期)税金等の増大が0%、コスト増・売上減が0% (長期)税金等の増大が0%、コスト増・売上減が0%
■評価基準(定量)
影響額が売上の10%以上:高 影響額が売上の1%以上10%未満:中 影響額が売上の1%未満:低
■マグニチュード分析方法(定性)
依存度分析の結果にシナリオごとの影響度の違いを考慮し、自然の変化が企業に与える事例を想定し、その影響を以下の通り分析しました。 ①先駆者シナリオ:税金等により大きな影響ある、コスト・売上への影響は現状と変わらず ②背水の陣シナリオ:税金等により大きな影響がある、コスト・売上にも大きな影響がある ③問題発生シナリオ:税金等の影響は現状と変わらず、コスト・売上に大きな影響がある ④非優先シナリオ:税金等の影響は現状と変わらず、コスト・売上への影響も現状と変わらず
■エクスポージャー分析方法(定性)
影響度分析の結果にシナリオごとの影響度の違いを考慮し、企業活動が自然に与える事例を想定し、その影響を以下の通り分析しました。 ①先駆者シナリオ:現状の度合いと変わらず ②背水の陣シナリオ:より大きな影響がある ③問題発生シナリオ:より大きな影響がある ④非優先シナリオ:現状の度合いと変わらず
■評価基準(定性)
税金等の減少、コスト削減、売上増などを通じてどの程度企業のビジネス機会につながるかを3段階で評価。評価は経営層が決定。 高:大いにつながる 中:ある程度つながる 低:ほとんどつながらない
■独自ツールによる分析
前述の計算、評価方法を使用しコストの計算を行うにあたり、以下のようなツールを開発しました。 当社における各事業の段階において細分化した活動に対し、インパクトドライバー、自然の変化、自然関連リスクを整理し、 定量分析が可能な項目においてエクスポージャーより金額を算出しました。また定量分析が困難な場合は、定性的に分析を行い、各シナリオにおいて、リスクおよび機会を評価しました。
■ITAD事業
ITAD事業のリスク評価結果は以下の通りとなりました。
全ての段階において物理リスク、移行リスク共に中長期でリスクが低い結果となりました。
リスク費用について分析を行いました。
ITAD事業においては現状のリスク額が22,228,000円であり、①先駆者シナリオが進んだ場合、2030年で100.5%増の22,332,000円、2050年で102%増の22,808,000円となり、現状よりそれぞれ103,000円、578,000円の増額となりました。
②背水の陣シナリオでは、2030年で105%増の23,340,000円、2050年で128%増の28,452,000円となり、現状よりそれぞれ1,111,000円、6,224,000円の増額となりました。
③問題シナリオでは、2030年で105%増の23,236,000円、2050年で125%増の27,873,000円となり、現状よりそれぞれ1,008,000円、5,645,000円の増額となりました。
これらのコストは売上の1%未満であり、影響は低となりました。
ITAD事業の機会評価結果は以下の通りとなりました。
シナリオ1では2030年で移行機会の法的責任が中程度となり、 2050年では物理的機会、移行機会の法的責任が中が中程度となりました。
シナリオ2では2030年2050年共に物理的機会、移行機会が中程度となりました。
シナリオ3では2030年2050年共に物理的機会、移行機会の市場が中程度となりました。
シナリオ4では、2050年に物理的機会が中程度となりました。
■マテリアルリサイクル事業
マテリアルリサイクル事業のリスク評価結果は以下の通りとなりました。
全ての段階において物理リスク、移行リスク共に中長期でリスクが低い結果となりました。
リスク費用について分析を行いました。
マテリアルリサイクル事業においては現状のリスク額が9,304,000円であり、①先駆者シナリオが進んだ場合、 2030年で103%増の9,593,000円、 2050年で117%増の10,922,000円となり、現状よりそれぞれ289,000円、1,619,000円の増額となりました。 ②背水の陣シナリオでは、 2030年で105%増の9,769,000円、2050年で128%増の11,909,000円となり、現状よりそれぞれ465,000円、2,605,000円の増額となりました。 ③問題シナリオでは、2030年で102%増の9,480,000円、2050年で111%増の10,290,000円となり、現状よりそれぞれ176,000円、987,000円の増額となりました。
これらのコストは売上の1%未満であり、影響は低となりました。
マテリアルリサイクル事業の機会評価結果は以下の通りとなりました。
シナリオ1では2030年で移行機会の法的責任が中程度となり、 2050年では物理的機会、移行機会の法的責任が中が中程度となりました。
シナリオ2では2030年2050年共に物理的機会、移行機会が中程度となりました。
シナリオ3では2030年2050年共に物理的機会、移行機会の市場が中程度となりました。
シナリオ4では、2050年に物理的機会が中程度となりました。
■産業廃棄物中間処理・収集運搬事業
産業廃棄物中間処理・収集運搬事業のリスク評価結果は以下の通りとなりました。
全ての段階において物理リスク、移行リスク共に中長期でリスクが低い結果となりました。
リスク費用について分析を行いました。
産業廃棄物中間処理・収集運搬事業においては現状のリスク額が1,030,000円であり、①先駆者シナリオが進んだ場合、 2030年で102%増の1.048,000円、 2050年で108%増の1,114,000円となり、現状よりそれぞれ17,000円、84,000円の増額となりました。 ②背水の陣シナリオでは、 2030年で105%増の1,085,000円、2050年で128%増の1,322,000円となり、現状よりそれぞれ292,000円、40,000円の増額となりました。 ③問題シナリオでは、2030年で104%増の1,070,000円、2050年で120%増の1,241,000円となり、現状よりそれぞれ40,000円、211,000円の増額となりました。
これらのコストは売上の1%未満であり、影響は低となりました。
産業廃棄物中間処理・収集運搬事業の機会評価結果は以下の通りとなりました。
シナリオ1では2030年で移行機会の法的責任が中程度となり、 2050年では物理的機会、移行機会の法的責任が中が中程度となりました。
シナリオ2では2030年2050年共に物理的機会、移行機会が中程度となりました。
シナリオ3では2030年2050年共に物理的機会、移行機会の市場が中程度となりました。
シナリオ4では、2050年に物理的機会が中程度となりました。
■リスクとインパクトの管理
シナリオ分析の結果、当社の事業においては、移行リスクおよび物理リスクのいずれについても、現時点で重大なリスクは検出されませんでした。一方で、機会については、自然のリスクが高まる状況において、ネイチャーポジティブな取組を行うことは企業にとってコストダウンや企業価値の向上を通じて機会になるとの観点から、特にシナリオ2(背水の陣)において中程度の機会が見込まれると分析しました。これらの分析結果を踏まえ、当社では以下の体制のもと、気候変動ならびに自然資本・生物多様性に関するリスクおよび機会の管理を行ってまいります。

当社では従来より、気候関連のリスクおよび機会について、サステナビリティ委員会において識別・評価を行ってきました。今年度よりTNFDに基づく情報開示を開始するにあたり、同委員会の役割を拡張し、気候変動に加えて自然資本および生物多様性に関連するリスクおよび機会についても同様の枠組みで対応することとしました。
まず、サステナビリティ委員会事務局が各部門から情報収集を行い、気候変動、自然資本・生物多様性関連のリスク及び機会の現状把握を行っております。サステナビリティ委員会では、同事務局がとりまとめた内容を踏まえ、NZE2050シナリオやRCP8.5シナリオ及びTNFDの2×2 scenario frameにおけるリスクと機会を識別します。また、当該リスクと機会の評価にあたっては、まず、識別したリスクと機会が当社の調達及び販売に与える財務的影響を分析し、その影響度を評価します。次に、この評価結果に基づき、リスクを低減し機会を最大化するための目標や具体策を盛り込んだ活動計画を協議・決定します。
サステナビリティ委員会の決定は、経営会議に報告され、適切に管理されております。これらの気候変動、自然資本・生物多様性関連リスクおよび機会は、当社の全社的リスク管理の枠組みの中で重要リスクとして位置づけ、他の経営リスクと統合的に管理しています。
■測定指標とターゲット
当社は、自然関連の依存・インパクトに関して以下の目標設定をしています。
今後も、ISO14001での目標設定、TNFDの開示指標や他の国際イニシアチブによる提言等を考慮しながら、自然関連の依存・インパクト、リスク・機会を管理するための指標や目標について検討していきます。下記はTNFDコア指標への対応表になります。
測定指標番号
Metric No.
インパクトドライバー
Impact Driver
指標
Indicator
2023年度実績
FY2023 Results
2025年度目標
FY2025 Target
- 気候変動
Climate Change
GHG排出量
GHG Emissions
電力使用 527t-CO2
Electricity use
化石燃料使用 331t-CO2
Fossil fuel use
C1.0 陸/淡水/海洋利用の変化
Land / Freshwater / Ocean Use
土地利用フットプリント
Land-use footprint
土地利用変化なし。工場拠点新設・拡張の際に検討
No land-use change. To be assessed when expanding sites
C1.1 土地・淡水・海洋利用の変化の範囲
Scope of change
C2.0 汚染
Pollution
土壌汚染量
Soil pollution
工場での土壌放出なし
No soil discharge
C2.1 排水量・排水水質
Wastewater
n/a 2026年度以降設定予定
C2.2 廃棄物量
Waste volume
1,376.834 t
C2.3 廃プラスチック量
Waste plastic
432 t
C2.4 非GHG大気汚染物質量
Non-GHG air pollutants
NOx / SOx / VOC n/a
粉じん(横浜)0.0054 mg/m3
粉じん(北九州)0.0069 mg/m3
2026年度以降設定予定
C3.0 資源利用
Resource Use
水不足地域からの取水量と消費量
Water use in scarce areas
Aqueductによる水不足地域に拠点なし
C3.1 高リスク天然一次産物の量
High-risk natural materials
利用なし
C7.0 リスク
Risk
移行リスク
Transition risk
該当なし
C7.1 物理リスク
Physical risk
該当なし
C7.2 罰金・訴訟
Fines / Litigation
該当なし
C8.0 機会
Opportunity
投資
Investment
植林事業による自然資本への投資
C8.1 収益
Revenue
リユース・リサイクルによる収益